MAOLOG 007

長崎国バンド*FANTASYS COREの狩須魔緒が分裂トークする、バラバラ談話ゾーン。

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★子が馬鹿だと親も立派な馬鹿に育つ。*マイクのブルース★12

"*ここまでの話*"

親馬鹿馬鹿親

★俺んちは親馬鹿ではなかったので、ガキの頃、マイクさんことウチのオヤジと俺は、一度もキャッチボールをしたことはなかったし。俺が大活躍するハンドボールの試合を、オヤジが見に来たこともなかったし。。。しか〜しの昨今、子が馬鹿だと親も立派な馬鹿に育つ。とは良く言ったもので、80過ぎてこんな年賀状を出す馬鹿親に座布団100枚!!今や年賀状が年一回の仕事と化した、馬が合う二人。たいしたヤツらだ。と、親煩悩。

HappyNewYear2014.jpg

★でえ、弊社HODENZのお年賀は、昨年のパクり。手抜き。ヘビが馬になっただけ。完全に馬鹿親に負けてる馬鹿息子のお年賀で情けない。ちなみにご年配の医歯系のヒトは、ドイツ語のHODEN(キンタマ)に弊社名を苦笑するが(狙い通り)。漢字で書くと放電図。創立スタッフだった前田太田矢田太田の四人に田があったから、4(FOUR)田’S→ホーデンズになったのでしたあ。イブフラワーのパパが真っ先に苦笑したらしい...さすがのさっちゃん。

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テーマ:日本語教育/異文化コミュニケーション - ジャンル:学校・教育

  1. 2014/01/04(土) 11:02:04|
  2. マイクのブルース
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『花のあるところに行こうか。』*マイクのブルース★11

*ここまでの話*

俺の親爺=マイクが、突然...

『花のあるところに行こうか。ね、花のあるところに行きたいね。』

と切り出したので、思わず吹き出してしまった。マイクがアル中なのはここで何度も書いたが、血圧200で朝昼晩酒呑んでいて、昼寝してふと目覚めたとき一瞬酔いが覚めてしまい、こういうロマンポロリな男になることがある。

 世間が花見花見といってるサクラ時には泥酔で、ツツジ真っ盛りの時期も泥酔で興味なし。でもって、けして花が豪華絢爛でない、なんでこの時期に花見に行こうと言うかっ!?...と、まずはムカついた。が、ロマンポロリな一言にも、奇人ならではの<間の悪さ>を無頓着に示すところは、さすが天才だなあと感心もしていた。だから吹き出してしまった。

 しかし、俺は吹き出したあとスグ思い浮かんだのさ。コイツ『オレもう死ぬ。』と、暗号で言ってるのかもしれない。花のあるところ=あの世?...『花のあるところに行こうか。』...ヨッシャ、息子の俺が父親の死場所を捜すのも親孝行たいと思い、ホイホイと外に連れ出した。で、車で10分ぐらいの場所に、こんな立派なクスノキを発見したのだった。ビックリした。その日その時まで知らなかった、この楠の存在。

クスノキ

「デカいねえ、オヤジ。」

『おお...太かねえ...このクスノキ。』

 うわあ、もうこれは運命だ。オヤジの最後にふさわしいデカさ太さ美しさのシチュエーション。まさにこのタイミングだ、と自分の嗅覚を自画自賛した俺は、オヤジの気も知れず、カメラのシャッターを押した。

 すると、オヤジはこのクスノキに向かって動いた。ふだん酔っぱらって椅子に座ったままの男が、珍しく自分から歩き始めた。大きなクスノキが彼の心の痛点を刺激したのだ。ヨボヨボとした足取りだが、それは一歩一歩が丁寧でペンギンのように小早く確かだった。

 マイクは、けっこう離れていく俺の方には一度も振り向かなかった。やっぱ死ぬな...。そして一心に気の根っこに向かい、木陰で立ち止まった。樹齢ん百年の説明書きでも読むんだろうか?...まさかこの男がそんな普通の年寄りを演じるわけない。

 やっぱりそこで倒れて死ぬのか...。アメリカと日本の番犬。米海軍佐世保基地と日本政府の間を、爆弾片手にガッツとシャウトでくぐり抜けてきた激動の佐世保魂が、このクスノキの根っこに、今横たわろうとしている。感動的だ。ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画のようだ。俺はあえて放置した。近づかなかった。ああ。この人死ぬ。助けるには距離がありすぎる。死んでもらおう。

 ・・・・・・・・・・・・・

 すると突然、それまで聞こえてなかった小川のせせらぎが聞こえ始めた。さらにウグイスも鳴き始めた。えええ...この男、この場で天使になるの...奇跡?...まさかあ...きっと近くに小川がある。小川はどこさ...××....一瞬、小川を捜して周囲を見渡し、再びクスノキに目を移すと......

 親爺がクスノキの根っこに向かって、立ち小便をしていた。

『オイ、これでこのクスノキ、まあだ、太うなっぞ。』

"*つづく*"

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*親爺の立ち小便の写真は、世間体とマイクの名誉のために削除させていただきました。

*監督の名前は言えなくとも作品は誰もが知ってる類(笑)の、ジュゼッペ・トルナトーレ監督作、んげげでロマンポロリな映画ふたつ。

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テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/05/19(火) 19:19:19|
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子供・・・の家*マイクのブルース★10

*ここまでの話*

子供の家

<子供   の家>という看板がでてるこの家は、オレの実家だ。俺の親爺マイクがいくら奇人変人だとしても、ワザワザ酔っぱらって帰宅するオレが迷わないように、この看板をつけるなんてことはない。<子ども>と<の家>の間には、何か文字が消えてる。雨風の影響で、消えてしまったのだろう。大事なことは赤文字で書くから消えたのだきっと(笑)。赤い塗料が黒より消えやすいなんてことは、看板屋も知り尽くしてるだろうに、まったくなんてざまだ...。パチンコ屋の看板からパが消えて、チンコ屋になったみたいだし。

万が一親爺がオレのためにつけた看板なら<子ども魔緒の家>となって、消えた赤文字は<魔緒>ということになる。でもそれはブー。ハズレ。オレの記憶によるとたぶん<110番>だったと思う。正解は<子ども110番の家>。ねっ、そやろ、マイクさん。

けどよ~、万が一、危険にさらされた子どもが「助けて~!!」って、この家に駆け込んできた時、対応するのは俺の親爺だぜ。血圧200で朝から晩までベロンベロリンチョに酔っぱらってる80代のアル中のお爺さんだぜ。助けて~!!って言ったって、たぶんこう返される。

『おっ、いいとこに来たねえ。エレナに行って、おいちゃんに、酒買ってきてくれえ。210円のカップ酒を5個ね。』

といって、1050円渡されるのさ。オレは今でもそうだからなあ。オレの親爺は昔から、相手がオレだろうがオレの友人だろうが血縁に関係なく近所の子どもに平等に、パシリや仕事をやらせる男だった。だからオレは、友達がオレん家に遊びに来るのが、気の毒だった。遊びに来たら働かされるからだ。ただ親爺は、オレにはギャラを払わないが、オレの友達には仕事させたら100円払っていた。チクショー...そろそろ呆けて、オレをオレの友達と勘違いしてくれんかなあ。100円くれえ。
 
それよりも<子ども110番の家>...あいや、佐世保市教育委員会と書いてあっぜこの看板。佐世保市教育委員会さんよ、もっと若くてアル中やシャブ中ではない大人の家にこの看板をつけなはれ。ピンチの子どもがこの家に駆け込んでも、助からんと思うもん...。

だって、小学校の時から酒もタバコもオッケーだった家だぜ。高校の時なんか、学校の寮に入ってるオレ宛に葉巻(キングエドワード)のセットを送ってくるオヤジ=マイクの家だぜここは。ダメやろ、そんな家に<子ども110番>させるのは、ねっ、エブリ殿。

*つづく*

テーマ:驚愕の自己啓発・教育方法 - ジャンル:学校・教育

  1. 2009/02/16(月) 11:02:16|
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オレのオヤジのマイクのオヤジ*マイクのブルース★9

*ここまでの話*

 マイクがこれだけ奇天烈/キテレツな人間になったのは、戦争に負けたという貧困の時代背景がある。けれど、それに加えてマイクの父、俺の祖父さんのキャラから受けた影響が当然大きい。祖父さんは、大借金をマイクに残してこの世を去った。マイクはその多額の借金を返すために朝から翌朝まで働きまくった。激務に耐える俺の親爺、マイクのブルースのイントロは、ヤクザな祖父さんから受け継いだマイナス遺産から始まった。祖父さんにいろいろ被らされてたんだもんなあ...あの祖父さんのスットコドッコイが!

 それでもマイクにとっては自分の父親だからか、不思議なほど祖父さんをけなすことがなかった。質実剛健で豪放磊落だと、自慢げに俺に語っていたものだ。もちろんマイクは日本語苦手なんで、こんな漢字四字熟語なんか使わず、祖父さんが馬にムチを打つ姿を、エキサイティングにジェスチャー付きで叫んでいた。

『ハイヤー、ハイヤー、

 スゴかったっつぅお~、ウチの父ちゃんは~。

 手綱なしで、鞍無しで、

 馬に乗って行きよったけんねえ。』

「たづな無かったら落馬やろ。

 どこ握って馬に乗るわけ…?」

『バ~カ!…タテガミに決まっとっやっか!

 タテガミば、両手で、こう持つっさぁ...』

 ってなかんじ。力強い身振り手振り。それだけで、“尊敬される男のサマ”すべてを語った。やっぱ、漢字がいっぱいの本を引用して体裁よく説教するより、アクション付き武勇伝の方が早か。これぞ教育か!?

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*祖父さんは<銃剣道>という武道の達人で、天皇に捧げる天覧試合に出場したほどの腕前だった、とか。
*試合で相手のノドを突いて、相手を殺してしまった、とか。
*我が家の<床の間>に飾ってある、あの銃剣の先っぽに付いている斑点は、その時の返り血だ、とか。
*ついでに言うと、試合で相手を殺しても罪にはならんとぞ、ムフッ・・・・・、とか。

 そういう強面伝説ばかりが、孫の俺には引き継がれていった。いやもとい。孫の俺の耳に、繰り返し叩き込まれた。
 だって俺の祖父さんに対する思い出も、たった一つ。孫の俺の目前で、バケツにひたすら血を吐いている記憶だけ。それだけだ。次に会った時にはあの世に行った瞬間だったし。<床の間>の遺影も、笑っているようで怒っている。微妙に怖くて憎たらしい。いつもその遺影の下に立つのが怖かった。そこに長く立っていると死ぬと思った。兄弟の間でも、肝試しや罰ゲーム扱い。祖父さんの遺影の下に何分立てるか?...というありさまだった。
 マイクにとっても、きっとイヤな存在だったはず。それでも、祖父さんがマイクからは圧倒的に肯定されていたのは、父権を絶対とする当時の日本の教育の浸透力のせいなのだろうよ。

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 ところが最近、マイクの態度が変わった。あんな祖父さんのせいで、嫁として苦労が絶えなかったおふくろから、オモシロおかしく語られる祖父さんのデタラメぶりを、否定しなくなった。さらには部分的に解説&フォローするまでになった。固く閉めていた否定のフタを開けちゃったのだ。なぜなら、今となっては珍しい豪快な伝説に、俺たち若者が大笑いするからだ。特に姉の娘=中学生の女の子に大ウケするもんだから、“良いんじゃない!本やTVよりおもしろいマイクさんの話”、となったみたいでさ。孫が笑えば世の中変わるということだ。
 その結果、祖父さんの巌(イワオ)さんは、実は職業が何一つ続かなかったヤクザな人生だったと、息子のマイクさんも認めるようになったわけだ。

そういえば、俺でもつい先日知った、驚きの初耳話がコレ。

♪お酒が大好きだったお祖父さんはある時期、酒屋をやっておりました。が、お祖父さんはお酒が大好きなあまり、在庫商品のお酒を自分で全部飲んでしまったのです。ヒエーッ、お祖父さんは、売るお酒がなくなってしまい、とうとうお店を潰してしまったのでしたぁ~、ブハハハハハ...♪

 ~この話は子供からお年寄りまで一家大爆笑。その頃は地獄だったろうに、80歳ぐらいになると爆笑できるもんなんだ。人生そんなもんらしい。こんな爆笑伝説の人物である祖父さんが作った重くておもろい借金。マイクは次男だったが、長男が早くに他界したため、祖父さんの借金を全部背負わされた。その返済で働き尽くしだった。だから、マイクは俺の親だが、息子の俺をサポートしたがらない。

『オレはオヤジで苦労した。

 だからオマエにオレで苦労させない。

 オマエはそれだけで幸せものだ。

 だからオレはオマエにはもう十分だ。』

 ...ッカッコイイね。って言うしかないじゃん、コレ。ランボーみたいな人やね。この先、“山ではオレが法律だ!”とか、“無駄に生きるか何かのために死ぬか、お前が決めろ!”とか言い出すぜきっと。ねえ、マイクさんたらよお。...と、酒をつぐ右手を見つめていると、珍しくマイクが俺に気遣いの言葉をかけた。

『おい、オマエ仕事の調子はどお?』

「長崎市は不正だらけやけんね、ひどかっちゃん。」

『そや、ヤルねえ...』

「どっちがっ?・・・・・・・・」

『楽天イーグルスは勝つようになったもんねえ...

 野村監督いいとこヤッテルじゃん、最近は。』

「・・・・・・・・」

 最後は必ず答えられない言葉を放たれる。はぐらかしてるのではなく、一般人よりも早く興味がなくなる...たぶんこの男、それだけだ。そうでなければ、大詩人。...いや、そいはありえんちゃん。

*つづく*

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テーマ:伝説の人物 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/05/29(木) 11:02:29|
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ゆつくりしたいので*マイクのブルース★8

 *ここまでの話*

 仲居さんが部屋を出たら、俺はマイクに進言した。。

「オヤジ、風呂に入れば!お湯がトロッとしてヨカよ。」

『オレ温泉に興味ないから。

 オマエが風呂に入ってやれば。』

「いやいやいや、風呂のためじゃなくて

 オヤジのために入らんね、温泉。

 ね、お金払うんで入ってくれえ。」

『オマエ、バカじゃなかとか!

 入りたくないオレになぜカネ払うわけ?!』

「いや、旅館に払うわけよ。」

『入らないオレのために旅館に払うの?』

「ま、入った方がいいけど入らなくても払うさ。」

『オマエ贅沢やねえ。最近のワッカもんはゼイタッカ~。』

「いやいや、オレが贅沢じゃなくてさ、

 今日はおふくろの喜寿で...」

と言いかけてるときには、マイクはもうこの話には興味がなくなっていて、テーブルに置いてある札が気になっていた。そのフダに書いてある文字を、たどたどしく読み始めた。

嬉野温泉1

『ゆつくり、たのしいので、にゅうしつ、しないで・・・

 どゆ意味?...ここは、お湯ば作いよっとか?』

「お湯から作る?...ええー?...」。

 その札には<ゆっくりしたいので入室しないでください。>と書いてあった。ゆっくりシタイ?いっぱいシタイ?あんれまあエロイ。いやチョットいやらしいが、老人マイクはどうもソコを突いてるワケじゃない。日本語を読めないだけだ。湯作り楽しい?なんていくらなんでもお湯を作るか!?って、アンタ神様かぁ~......

「ちがうちがう。ほらビジネスホテルのドアノブに

 下げるヤツあるやん。...掃除のおばちゃんに、

 まだ寝てるので起こすな!ってメッセージするフダ。」

『はっ?...』

「DON'T DISTURB ME.

 って書いてあるやん、プラスチックのボードにさ...」

『YES, I GOT IT.(アイガリ)!』

 なんやわかっとるやんけ、コラ。アイガリ爺さんが!......年をとるにつれ、ほんとマイクは英語でしか通じなくなっていく。こんな時、俺は感じるのだった。<マイクは、日本魂を奪われた佐世保の犠牲者。そのひとりである。>……と。

「おい、テレビ付けろ!相撲の始まっとる。」

 あれっ?...やっぱ犠牲者撤回です!

*つづく*

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  1. 2008/04/22(火) 11:02:22|
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外人バーのマネージャーだったマイク*マイクのブルース★7

*ここまでの話*

 工業高校出身でありながら、マイクが英語ペラペラなのは、外人バーでマネージャーをやっていたからだ。なんせマイクの父親、つまり俺の祖父さんは、多額の借金を残してこの世を去った。だからマイクは昼の仕事の後に、夜は外人バーで働かなければ借金を返せず、その結果、英語ペラペラになったらしい。その流れで米海軍佐世保基地にスライドし、いつの間にか爆発物のボスになり、その結果、日本語が苦手になっていた。爆発物が日本語を苦手にした、という流れはエブリ殿には理解しがたいだろうが、この説明をするとかなり長い上しかも危険。だからここでは省略して、それより温泉に行こう。

 マイクのワイフ、俺のおふくろの喜寿の祝いに便乗して、嬉野温泉に行ったマイク。いつものカップ酒が飲めない洒落た旅館に、居心地悪そう。部屋の世話をする仲居さんが、お茶を入れに来た。嬉野銘茶を入れながら...

「嬉野にはよく来られるんですかあ?」

 さてどう答える?...温泉なんかしょっちゅう来てると見栄を張るのか...滅多に来ませんと正直に答えるのか...それでサービスがよくなるのか舐められるのか...これは、誰が答えるんだろう。と一瞬戸惑った隙に、マイクがチャチャッと答えた。

『う~ん、若い頃はよく来てたねえ。』

 けっ、外面のいいマイクは、言葉遣いを変えて答えていた。おいコラもう一回言ってみろ。いつもの調子でよ~。

『う~ん、わっか頃は、しょっちゅう来よったね!』

 窓の外を見ながら噛みしめるように答えるマイク。おふくろの前で、この答えの微妙さ加減が与えるインパクトは、俺には大きかった。なんせ窓の外、マイクの視線の向こうにあったのは、ハーレムという名のソープランドだった。オヤジの時代にはトルコ風呂と言われていたっけ。温泉街の意味が今とは違う時代がきっとあったはず。

 風俗と温泉街は背中合わせの暗号に違いなかった時代がよみがえる中で、仲居さんの質問「嬉野にはよく来られるんですか?」それが、こだましているマイクの脳内事変。佐世保弁ではない、よそ行きのカッコつけた答え方。咄嗟の標準語『う~ん、若い頃はよく来てたねえ。』。そのウラに潜むのは、トルコ風呂ハーレムの記憶か。

 マイクは少しの間、外をボーッと見つめていた。すると、切れ味鋭いいつもの発音で、ソープランドの看板を呼んでしまった。

『Harem!』

「ハーレム。」

 俺はフォローを入れるつもりで即座に連呼した。間が持たないと勝手に思いこんで、さらに続けてしゃべり倒した。

「これ、ニューヨークのHarlemとは、

 意味違うもんね。綴り違うし。

 イスラム圏のHaremやもんね。」

『オマエ細かかっさ。ママさん似やね。』

 マイクは俺のフォローをなぎ倒した。とその時、おふくろが、ズルズルズル...っとお茶をすすって、口を開いた。

「お茶のおいしかあ......」

 おふくろの感嘆っぷり。喜寿とお茶。達成感。幸せそうなお茶時間。しかし、そんなグッドタイムのいい空気ですらマイクは読まなかった。空気は吸うものさ一筋の男道。嬉野銘茶が施した絶妙の“間”のありがたみに気を遣うことなく、マイクはバッサリと言い切ってしまった。それはアメリカが日本を負かしたかのように突然だった...

『ここ嬉野やもんね。』

 ありがとうございますう~。ではごゆっくり~。仲居さんはタタミにお呪いをかけるかのように深々と頭を下げて、今がタイミングだと言わんばかりに素早く、微妙部屋から退場した。

*つづく*

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  1. 2008/04/12(土) 11:02:02|
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マイクは日本語が苦手*マイクのブルース★6

*ここまでの話*

 マイクは、日本人だけれど日本語が苦手だ。もちろん本人は苦手だと思っていないが、俺含む周囲の普通の人々からみると、日本語が通じないミョウチクリンな脳をしている。父親なので敬意を払って、敢えてバカだとは言わない。80近い年齢のせいでもない。今も英語はペラペラだし頭は悪くなさげなので、日本人としてチョット何かが足りないレアなヒト?、ぐらいにしとくか。そう、マイクは変な日本人なのだ。

『おい、DVってなんや?』

「家庭内暴力さ。」

『勝てない暴力?...そがんと止めとけ。

 大東亜戦争やっか。オマエ負けイクサはするなよ。』

「勝てないじゃなくて、家庭内暴力。オヤジのことさ。」

『......DVってあれやろ、音楽のなるとやろ。』

「あ、そいはDVD。音楽もなるし、映画も見れる。」

『YES!それそれ。』

「詳しく言うと。音楽だけなるのはCD。

 音楽も聞けて映像も見れるのがDVDね。」

『オマエ細かいっさ。ママさん似やね。』

「いやいや、俺じゃなくて電気屋がね。」

『で、DVとDVDは違うわけ?』

「だけん、DVは、家庭内暴力。オヤジのことさ。」

『そい英語や?』

「ドメスティック・バイオレンス!」

『Yah, Domestic Violence !』

やけに発音良くオウム返しされるので、その態度と切れの良さが憎たらしい。...と思いつつ、英語略語の多い世の中は年寄りに面倒だなあ~と、ここは思いやりの一言をかけて退散することにした。

「DVD覚え立てに、DVの登場で、ややこしかねえ。

 違いはわかった?...OK?」

『アイガリッ!(I Got It !)』

「おお!..アイガリ爺さん、俺そろそろ帰るけん。」

『どこに...?』

「長崎にさあ...。」

『風呂入らんとぉ?』

「なんでぇいまから......もう帰るけん。」

『KYってなんや...?最近言うやろ、ね、KYってなんや。』

「キンタマ・イエロー...はっはっは、サムライのことさ。」

『リアリィ...?』

「ごめん、ウソウソ。最近のガキがいうには、

 空気読めないヒトのことだってよ。オヤジのことさ。」

『はぁ?...なんで空気を読むの?......ねえ。

 オマエ細かかっさ。ママさん似やね。』

「いや、俺は空気読ませるほうけど...」

『What?...

 空気は吸うもんやろ!......ッバカが!

 よっそわしか。』

「そう、っそわしかねえ。ガキどもがねえ...」

『ユーガリッ?』

「アイガリッ!」

『オマエ、風呂入って風邪ひくなよ。』

「だけん、入らんてさ!もう帰るって!」

『どこにや……』

*つづく*

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  1. 2008/04/05(土) 11:02:50|
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マイクは、五合から一升の酒を毎日飲む。*マイクのブルース★5

*ここまでの話*

 マイクは、今でこそ80歳ぐらいだと思うが、周囲には70歳になったぐらいから『もう俺も80ばい...』と、感慨深く、何度も繰り返し宣伝してきたので、ホントはいくつかわからなくなってしまった。数年前は、血管がつまったりして手術のために入退院が集中したが、最近は安定している。その証拠に、朝から晩まで、酒を飲んでは寝るを繰り返す。毎日五合から一升、酒を飲むマイク。

 呑むという情緒がなく、飲む。しかもあまり食べず、水を飲むように酒を飲む。俺は長男としての義務から基本的には、飲みすぎを注意するが、感心もしている。80歳ぐらいで、これほど毎日酒を飲むだけの、無意味な過ごし方をしてるのも、ある意味ロック!…たいしたもんだ。内蔵とりわけ肝臓が丈夫な証拠でもある。だから、チョット油断して、マイクに向かって褒めてみた。

「オヤジもたいしたもんやね、

 その年でそれだけ酒を飲めるなんて。おらんよ。

 他の年寄りじゃ聞いたことない。俺でも飲めんよ。」

 するとマイクは、ニヤリとして答えた。

『そうね。やっぱりミーは...

 ボクは毎日、体に気を遣ってるし、

 健康に気をつけてるからなんじゃないのお...。』

 オマエ殺すぞ!と即座に思ったが、このパーティー好きのアメリカかぶれの男の、ユーモアなんだか、まんまなんだか、いまだにわからない...そういう自分に酔ってる感じの返答には、結局爆笑してしまう。バカ受けしてしまう。どんな芸人よりおもしろい。

 気を遣っているのは、周囲の家族であり、健康に気を付けてるオトナは、それだけの量の酒を、毎日飲まない。ゲラゲラ笑っている俺のスキを突いて、マイクは被ってきた。

『ねえねえ、俺もう90歳よ...。』

 長年のUSネイビー漬け=米海軍佐世保基地勤務でアピール力を培ったマイクのその口から、次のパーティーへの宣伝が始まっている。77歳で喜寿を祝ってパーティーをやった。記念日には酒が集まる。88歳が米寿というパーティーのチャンスだと、マイクは肝臓で感づいている。マイクは脳で生きていない。肝臓で生きている。今日も明日も90歳のその日も、肝臓が脈を打つ。

*つづく*

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  1. 2008/02/24(日) 10:59:54|
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MAO KARIS / 狩須魔緒

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